こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。
自分でちゃんと考えて、
選んだはずの転職先。
それなのに、
心が晴れない。
──そんな経験はありませんか?
今日は、
キャリアアドバイザーとして働いていた頃に出会った方々の事例をもとに、
この
“選べているのに満たされない感覚”
の背景について、
お話ししてみたいと思います。

「ちゃんと選んだはずなのに…」
前職では、
転職希望者のサポートをする
キャリアアドバイザーとして、
たくさんのかたのご相談に乗ってきました。
その中で一定数いらっしゃったのが──
転職をしてまだ数ヶ月しか経っていないにもかかわらず、
「もう一度転職を考えたい」
と再びエージェントに登録し、
面談に来られるかたたちです。
もちろん、
転職先がいわゆる「ブラック企業」だったとか、
入社前と実態が大きく違っていた、
というようなケースもありました。
でも、
中にはそういった明確なトラブルがあったわけではなく、
「条件が大きく違ったわけじゃない。
でも、
なんとなく違和感がある……」
「やりたい仕事のはずだったのに、
どうもしっくりこなくて……」
といった、
言葉にしづらいモヤモヤを
抱えているかたもいました。
「今度は絶対に失敗したくないんです……!」
そうおっしゃるかたの多くは、
すごく真面目に考えて、
しっかり選んできたはずの人たちでした。
「ちゃんと選んだ」はずが、なぜかズレていた理由
こうした方々のお話をじっくり聴いていくと、
ある共通点が見えてくることがあります。
それは──
転職の“選択”はしていても、
「本音」と「行動」との間に
ずれが生まれていたということ。
たとえば、
こんなケースがありました。
・ケース1
年収アップを目指して同じ職種で転職したけれど、
本当は「違う仕事がしたい」
という気持ちがあった。
でも生活への不安もあって、
その声にフタをしていた。
目の前の現実を優先したはずなのに、
心のどこかで
“このままでいいのかな”
という違和感が残っていた。
・ケース2
「手に職をつけたい」と
エンジニアを目指して転職したけれど、
実際に働いてみると、
画面に向き合う時間の長さに疲れてしまい、
「私は人と関わる仕事が好きだったんだ」と気づいた。
自分では納得して選んだつもりだったが、
ふとしたときに
「なんだか違う」
と感じる瞬間が増えていった。
・ケース3
「今の時代は、
転職してキャリアアップすべき」
という世の中の流れに背中を押されて
転職したけれど、
本当は
「もう少し今の会社でがんばってみたい」
という気持ちもあった。
でも、その本音を認めることが怖くて、
転職をしてしまった。
新しい環境に馴染もうとするほど、
心が置き去りになっていくような感覚があった。
どのかたも、
自分なりにしっかり考えて、
選び取った結果だったはずです。
でも──
「自分はこうすべき」
「これが正解なはず」
そんな「~すべき」という思考が、
自分の心の声を押し込めてしまっていた。
だからこそ、
新しい選択をしても、
なんだか満たされない。
そのモヤモヤの正体は、
「本音」が置き去りのまま
先に行動をしていたからかもしれません。
本音にかぶさったふたを、少しずつずらしていく
こうしたときに必要なのは、
すぐに“次の選択肢”を探すことではなく、
まずは
「自分の本音に気づくこと」
だと私は思います。
「今、私はどう感じているのか?」
「ほんとうは、
何を大事にしたいと思っているのか?」
そうした想いに、
そっと耳を傾ける時間。
「ちゃんと考えたはずなのに…」
と自分を責めるのではなく、
「今の私は何にモヤモヤしている?」
と優しく問いかけてみること。
自分とつながりながら選ぶことで、
“外の世界にあるように見える正解”
に振り回されづらくなります。
本音と向き合うことは、
簡単ではないかもしれません。
怖さや不安もあるかもしれません。
でも、それは──
「自分を信じていく」
ための大切な一歩でもあります。
本当に必要なのは、
「もっと良い職場」や
「もっと条件の良い会社」ではなく、
自分の本音を認め、
その本音を大事にしながら未来を選んでいくこと。
違和感やモヤモヤは、
そのためのサインなのかもしれません。
どんなに前向きな選択でも、
自分にとって心からの選択でなければ、
どこかでズレが生まれてきてしまいます。
でも、
もしあなたが今、
その違和感に気づき始めているとしたら──
それはすでに、
大きな一歩を踏み出している証です。
焦らずに。
まずは
「自分の本音を認めてあげること」から、
始めてみませんか。
新しい会社を探す前に、
「今の自分が本当に大切にしたいことは何か?」
を見つめ直すこと。
それが、
遠回りに見えて、
いちばんの近道になることもあります。
もし、
「自分の本音が分からない」
「何を選んでもしっくりこない」──
そんな迷いの中にいるかたは、
お話を伺いながら、
一緒にその違和感の正体を探していけたらと思っています。
どうか、
お気軽にご相談くださいね。
あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。
心理カウンセラー
矢菅まゆ