こんにちは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。
今日は「辞めたいのに動けない」
という状態の背景について、
お話が出来ればと思います。
仕事を辞めたいのに動けない──“もう十分やった”と思えた瞬間
「辞めたい気持ちはあるのに、
なかなか動けない」
「今の職場に違和感があるけれど、
まだ自分にできることが
ある気がして踏み出せない」
そんな葛藤を抱えているかたは
少なくありません。
心では
「もう区切りをつけたい」と思っていても、
頭では
「まだやるべきことがある」と感じてしまう。
そのズレが、私たちを
“その場にとどまったままのしんどさ”に
閉じ込めてしまうことがあります。
今日は、
実際にカウンセリングを
受けてくださったK・T様のご感想を紹介しながら、
その気持ちがどのように整理され、
前へ進む感覚が戻っていったのかをお伝えします。
「自分のやれることは十分やってきた」と素直に思えました
Kさんはメーカーの開発部門にお勤めで、
工場でのテスト業務などにも
携わっていらっしゃいます。
ご本人の許可をいただき、
ご感想を紹介いたします。
※プライバシー保護と読みやすさの向上のため
一部編集をさせていただいております。
カウンセリング前の私は、
「今の仕事に区切りをつけて次を考えたい」
と思いながらも、
頭の中で同じことばかりを
ぐるぐる考えて答えが出せずにいました。昨年から今年にかけての工場テストの流れの中で、
「ここにいる限り、
自分の役割 (技術伝承) を
十分に果たす時間は取れないし、
将来の設計もできない」という想いが確信に変わってきていました。
それなのに、
「じゃあ、どう動けばいいのか?」
というところで立ち止まったままだったのだと思います。でも、今回気づけたのは、
職場への愛着はもう切れているのに、
「自分にできることがあるのに手を出さずにいる」という
選択肢がどうしても取れなくて、
無理やり体を動かしていたということ。だから気持ちと体が一致せず
モヤモヤしていたんだなと腑に落ちました。カウンセリングを改めて振り返ると、
技術伝承についてはすでに資料をまとめ、
活用されていて問い合わせにも丁寧に応じてきていたので
(この後は任せるよという気持ちも込めて)、完璧とは言えなくても
「自分のやれることは十分やってきた」
と素直に思えるところにたどり着けました。
ここは本当に、
カウンセリングを受けたからこそ到達できた感覚です。さらに、
「小さな一歩でもいいから情報を集めて動き出そう!」という、
具体的に前へ進みたい気持ちが湧いてきたのも大きな変化でした。後半に人材紹介会社について質問させてもらいましたが、
やっぱり「専門性」があるというのは大きな安心感ですね。矢菅さんの「優しく受け止める力」と
「頼れるしっかりとした軸」の両立があるからこそ、
相談者側はより深く安心できるんだと実感しました。そして何より、
微笑みと落ち着いた話し方で作られる柔らかい雰囲気は、
やっぱり矢菅さんの大きな強みですね。安心して心を開ける空気を作ってくださるのは、
本当にすごいことだと思います。今回のカウンセリングを通して、
自分の気持ちを整理し直し、
「具体的に動いてみたい!」
という気持ちに変わったのは、
私にとって大きな収穫であり、正直、こういう解へ
たどり着けるとは思っていなかったので、
自分でも驚いています。矢菅さん、改めて、
貴重な1時間を本当にありがとうございました!
辞めたいのに辞められない人が抱える責任感の葛藤
Kさんが最初に抱えていたのはまさに
「心ではもう離れたいのに、
頭が“まだやらなきゃ”
と命令している」状態でした。
愛着はすでに切れているのに、
“責任感”や“役割意識”が強く働き、
体が動いてしまう。
そして多くのかたがそうであるように、
「この場でやれることがあるのに動かない自分」
を責めてしまうだけでなく、
「今、目の前で困っている人や
混乱している状況を放っておけない」
という気持ちもあると思います。
それは、
真面目さや責任感の表れでもあります。
同時に、
人の困りごとを自分のことのように感じとれる優しさや、
「自分が手を出さなかったら誰かが困ってしまうかも」
という思いから動いてしまうこともあると思います。
つまり、
優しさや誠実さゆえに、
自分の心よりも
“外の状況”を優先してしまうことがあるのです。
そうした状態が続くと、
心と体がバラバラになっていき、
気付いた時には疲れ切ってしまっていることがあります。
Kさんの場合は、
「自分のやれることはもう十分やった」
と感じられたことが大きな転換点でした。
「他人や役割を基準に動く」状態から、
「自分の納得感を基準に感じ取る」状態へと
軸が戻ってきたサインでもあります。
頑張り続けてきた自分を認めてあげて
責任感が強い人ほど、
「まだできることがある」
「やり切れていない」と感じやすいものです。
でも実際には、
すでにたくさんのことを
やり遂げてきているケースがほとんどです。
“無理に頑張る”ことよりも、
“これまでやってきたこと”を振り返る。
そして
「ここまで頑張ってきた」
と認めてあげられることが、
次の一歩を踏み出すエネルギーになります。
今もし、
心と体がちぐはぐで動けない感覚があるなら、
それは「頑張り方を変えるタイミング」が
きているのかもしれません。
私たちはどうしても、
「次にどう動くか」を
すぐに考えてしまいがちです。
けれど本当に必要なのは、
「これまでの自分の頑張りを認めてあげること」
なのかもしれません。
そうは言っても、
自分一人で考え込んでいるときは、
これまでの自分の頑張りが
あまりに当たり前に感じられて、
なかなか「もう十分やってきた」とは
思えないかもしれません。
そんなときは、
誰かに話してみるのがおすすめです。
自分にとっては当たり前のことでも、
他の人から見れば
「それはすごいことですね」
というようなことはたくさんあります。
私が行っているカウンセリングモニターでは
転職支援の仕事を通して
2000名以上のキャリアを見てきた経験をもとに、
あなたの頑張りや積み重ねを客観的に整理する
お手伝いができます。
「これまでどれだけやってきたのか」
「今、どんな状態なのか」
を一緒に振り返ることで、
自然と心が追いつき、
次の一歩を選べるようになっていきます。
安心して話せる時間の中で、
少しずつ「もう十分やってきた」
と思える感覚を取り戻していきましょうね。
あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。
心理カウンセラー
矢菅まゆ
