こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。
紅葉がきれいな季節ですね!
最近私は、
近所の公園や街路樹の紅葉を眺めて
楽しんでいます。
このように自然を楽しむことって、
実は「うまく休めない」と
感じているときに
有効な手段のひとつなんです。
ということで今日は、
「達成しても喜べない……
頑張り屋がうまく休めない理由」
について書いていきます。
達成しても“すぐ次に行ってしまう”理由
頑張り屋の人ほど、
うまく休めないときがあります。
休もうと思っても心が落ち着かず、
脳内ではもう
次のタスクについて考え始めている。
せっかく何かをやり遂げても、
その喜びを味わう前に、
「次はどうしよう」
「ここから先が不安だな」
そんな気持ちが湧いてくる。
そして気づくと、
自分のやり遂げたことを
「大したことじゃない」と扱って、
その瞬間を流してしまう。
そんな経験はありませんか?
個人差はありますが、
多くの人は達成そのものよりも
「まだ終わっていないこと」
「この先に控えていること」
のほうに意識が向きやすい傾向があります。
私自身、
前職の人材紹介会社で働いていた頃、
まさにこの感覚をよく味わっていました。
人材紹介の営業の仕事は、
“今月の売上”は、
前月以前に積み重ねてきた面談や
選考サポートの結果として表れます。
だから、
今月の売上が良かったとしても、
今月の“面談の調子”が悪ければ、
「これは来月以降に響くかも……」
という不安が同時に湧いてくる。
その結果、
「今月達成できた喜び」と
「来月以降への不安」
が、いつもセットになっていました。
これは業界特有のものというより、
仕事の成果が出るまでに
タイムラグがある場合、
目の前の達成を素直に
味わいにくくなりやすいのです。
そしてこれは弱さではなく、
自然な反応なのです。
頑張り屋がうまく休めなくなる“心のメカニズム”
何かをやり遂げたとき
「こんなの当たり前」
「大したことない」
と扱ってしまうと、
達成の喜びを受け取れないまま、
次へと進んでしまいます。
そうすると、
心の中にはいつも
“どこか終わっていない感じ”
が残りやすくなります。
そして、
この未完了感が続くことで、
・仕事から離れても落ち着かない
・休もうと思っても気持ちが切り替わらない
・「休む=まだやることが残っている状態」
になり、そわそわする
といった状態になりやすくなります。
人からほめられたとしても、
頭で「嬉しい」と思う一方で、
身体の方はまだ
緊張が続いていて落ち着かない……。
頑張り屋の人ほど、
そういった状態に陥りやすいのです。
うまく休めないと感じるとき、
それは休むのが下手という
意味ではありません。
人間の脳は、
注意の切り替えに
時間がかかるつくりになっています。
仕事モードから休息モードへ──
その切り替えを一瞬で行うことは
簡単ではありません。
特に、
普段から仕事に真面目に向き合うほどに、
“仕事の緊張モード”が
しばらく残ってしまうことがあります。
たとえば、
・何か目の前に危険が迫っているわけではない
・締め切り直前というわけでもない
それでも、
身体だけがまだ“戦闘モード”の
ままでいることがあります。
こうしたことは珍しくありません。
だから、
「なんで私はこんなに
落ち着けないんだろう」
と責めなくて大丈夫。
ただ、
自然なタイムラグが
起きているだけなんです。
休めない自分を責めずに、まずできる小さな工夫
うまく休めないと感じるとき、
大きな努力をしなくてもできる、
小さな工夫があります。
①達成を書き出してみる
やったことを見える化すると、
脳が達成を認識しやすくなります。
ポイントは、
やったことをできるだけ
細かく分けて書き出すこと。
「今日の私は、
こんなにやっていたんだ」と
客観的に見えるようにするだけで、
気持ちが落ち着きやすくなります。
②“今日できたこと”に意識を戻す
脳は、不安や不足していることに
意識が向きやすいと言われています。
だからこそ、
「今日できたこと」
に意識を向け直すのは
理にかなっています。
まず、
やったことを見える化した上で、
その一つひとつを
「たしかにできたこと」として
意識し直してみる。
その意味で、①と②は
両方あわせて行うことで、
効果が高まりやすくなります。
③意識的に自然に触れる
窓を開けて外の空気を感じる、
道端の花や街路樹に
目を向けながら散歩をするなど。
視覚などの感覚を意識的に外に向けるだけでも、
思考のループが一度切れます。
未完了のことを
考え続けるループから抜ける
きっかけになるのです。
うまく休めないのは、
能力不足でも、
弱さでもありません。
むしろ、
まじめに取り組んできたことの
表れでもあるのです。
目の前の小さな達成を
少しずつ受け取れるようになると、
やがて、
「あ、今仕事のことを考えずに
リラックスできていたかも」
といった瞬間が増えてきます。
そしてゆっくりと、
「休んでも大丈夫」という実感が
もてるようになっていきます。
私自身、今でも時々、
「あれができてない」
「まだあれとこれが残っている……」
と、目の前の達成を
十分に味わえていないことがあります。
それでも、
目の前の一つ一つの達成を味わい、
丁寧に受け取っていけるようになれたらーー
そう思いながら、
私自身も「小さな工夫」に取り組んでいます。
あなたともに、
あなたの一つ一つの達成を
味わうことができたら、
何より嬉しいです。
あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。
心理カウンセラー
矢菅まゆ
