“ちゃんとしなきゃ”が止まらないとき

職場で頼られるのがつらいと感じるあなたへ|“できる人”が抱える本当のしんどさ

こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。

 

「頼られているけど、
なんだか苦しい」

そんなふうに感じたことはありませんか?

一見、喜ばしいはずの“評価”や“信頼”なのに、
心がざわついたり、
強いプレッシャーを感じたり──

今回は、
そんな“できる人”が抱えやすい、
見えないしんどさについてお話しします。

「頼られるのがしんどい……」と思ってしまうのはなぜ?

職場で
「○○さんにお願いしたい」
「頼りにしてるよ」

そう声をかけられると、
うれしい気持ちになることもあると思います。

でも、
うれしさと同時に、
心のどこかがぎゅっと締めつけられるような感じがする。

素直に喜べない自分がいる。
そんな違和感を覚えたことはないでしょうか?

その背景には、
こんな“しんどさ”が
隠れていることがあります。

 期待に応え続けなきゃ、というプレッシャー

・頼られると
「断れない」「自分がやらなきゃ」
と無意識に背負ってしまう

・“できる人ポジション”
から降りられなくなる

・自分のキャパを超えていても
しんどいと言い出せない
(弱音を吐いたらがっかりされそう)

「大丈夫です!」と、
引き受けるのが“当たり前”になってしまうと、

少しの余裕のなさや不調も、
なかなか人に伝えられなくなっていってしまいます。

周囲の目が、自分の“素”を許してくれない気がする

・少しでも手を抜いたら、
「え?そんな人だったの?」
と思われそうで怖い

・「いつもちゃんとしてる人」
と思われている分、
そのイメージを壊すのが怖い

・だから、
しんどくてもギリギリまで頑張ってしまう

“しっかり者キャラ”や“頼れる人”
というイメージが定着してしまうと、
それに応えなきゃと無意識に
肩に力が入ってしまいますよね。

「評価されたはずなのに……」自分にがっかりしてしまった私の体験

私自身、
「頼られることがうれしいはずなのに、
なぜか苦しい」
と感じた経験があります。

 

あるとき、
当時の上司から
「リーダーやってみない?」
と打診を受けました。

そのときは驚きつつも、
「私をそんなふうに見てくれてたんだ」と
評価していただけたことに対する
喜びに浸っていました。

でも、
後になってふと冷静になる瞬間がありました。

「会社の方針として、
ある程度の経験を積んだ人には
どんどんリーダー職を打診しているのでは?」

「他の人は、
もっと早くリーダー職になってたよな……」

そんなふうに現実を見て、
できない自分にがっかりしてしまったんです。

 

もちろん、
まったく期待されていなかったわけでは
ないと思います。

全く期待されていなかったら
リーダー職への打診もないため、
一定の評価はあったはずです。

 

でも、
それでも──

「私が特別だったわけじゃなかったんだ」

「別に高く評価されてたというより、
“都合よく次リーダーにあげられそうな人”
だったのかもしれない」

そんな思いが湧いてきて、
胸の中に鉛のようなしんどさが残りました。

 

「評価されたと思ったのに、
そうじゃなかったかもしれない」

「もっとできると思ってたのに、
そうでもなかった」

そんなふうに、
自分にがっかりする“静かな痛み”を、
このとき私は初めて感じたのかもしれません。

頼られることに、しんどさを感じてもいい

「頼られること=喜ばしいこと」
という価値観があると、
そのしんどさに気づいてはいけないような
気がしてしまうかもしれません。

頼られること自体が悪いわけではないけれど、
「頼られ続けること」を
無条件に受け入れ続けるのは、
しんどくて当然なんです。

特に、
真面目ながんばり屋さんほど、
頼られたことに応えようと
全力でがんばってしまい疲れてしまう。

さらに、
「頼られたことに喜んでいた自分」と
「後から見えてきた現実」とのギャップに、
傷つくこともあると思います。

 

だからこそ──

・余裕がないと感じるときは、断ってもいい
・無理しない選択をしてもいい
・「自分にがっかりした」って感じてもいい

そんなふうに、
まずは自分をゆるしてあげることが大切です。

“できる人”に見えるほど、
実はしんどさが見えにくくなります。

だからこそ、
「そんな自分がいたこと」
に気づいてあげることから始めてみませんか?

 

……もし今、
少しでも心に引っかかるものがあったなら。

それはあなたが、
これまで人の期待に
一生懸命応えてきた証なのかもしれません。

 

もし、
「一人では整理しきれない」
「もっと楽になりたい」

そんなふうに思ったときは、
カウンセリングのような場で、
あなたの気持ちをゆっくりと
言葉にする時間をもっていただけたらと思います。

あなたが、
“あなた自身のペース”を大切にできますように。

 

 

 

あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。

 

心理カウンセラー
矢菅まゆ