働き方・生き方に迷ったとき

選択肢が多すぎて決められない人へ。迷わず選ぶための2つのコツ

こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。

 

飲食店のメニューや今日着る服、
やりたいことリスト……。

選択肢が多いと、
なかなか決められないことってありますよね。

でもそれは、
優柔不断だからじゃないんです。

今日は、
「選べない」と感じたときに、
自分を責めずにいられるヒントをお伝えします。

人は、選択肢が多すぎると選べなくなる

心理学では、
「ジャムの法則(The Jam Experiment)」
と呼ばれる有名な実験があります。

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授らが行った、
ジャムの試食と購買行動に関する研究です。

この実験では、
24種類のジャムを並べたコーナーと、
6種類だけ並べたコーナーを比較。

結果、
6種類のジャムを並べた方が、
購入に至る割合が明らかに高かったことが分かっています。

 

つまり人は
「選択肢が多いと実際には決められず、
行動に移せない」
ということが分かったんです。

これは私たちの日常にも、
仕事にも、
よく当てはまる話だと感じます。

前職で感じていた、まさに“ジャム状態”の現場

私は以前、
人材紹介会社でキャリアアドバイザーとして働いていました。

その中で、
とても印象に残っている
“とてもじゃないけど選べない状況”がありました。

 

当時の会社の方針として、
面談の中で求職者のかたに
20〜70社の求人を一気にご紹介。

面談のその場で、
できるだけ多くに応募していただくことが
「良し」とされていました。

面談時間は1時間半ほど。

1時間半でそれだけの求人を見るのは、
正直かなり無理があります。

実際、
求職者のかたからも

「多すぎて何が何だか分からないです……」

「自分がどういうところに転職したいのか、
分からなくなってきました」

という声を、
何度も耳にしていました。

 

私はその頃から
この“ジャムの法則”を知っていたので、
「こんなに提示されて選べるわけがない」
と内心思っていました。

だからこそ、
あえてこうお伝えすることもありました。

「今、全部選ぶのは難しいと思います。
だから、
どうしても“ここは避けたい”
というものだけ教えてくださいね。」

 

人は、
情報や選択肢が多すぎると、
判断ができなくなるんです。

それは怠けでも、
意志の弱さでもなく、
「脳の処理キャパ」を超えているだけなんです。

“選べない”ときに、やってみてほしいこと

前職の例はちょっと極端かもしれませんが、
私たちの日常でも

「選べないまま、
時間だけが過ぎてしまう」

ということはよくありますよね。

 

たとえば、

・読みたい本がたくさんあって、
どれから読めばいいか分からなくる

・副業をやってみたいが、
情報が多すぎて手が止まる

・料理レシピを探していたら、
何を作りたいか分からなくなり
結局Uber Eatsに頼る

 

そんなとき、
私はこんなステップで“選べなさ”に
向き合ってみることをおすすめしています。

Step1:選択肢を「減らす勇気」を持ってみる

選ぶことに迷ったときこそ、
「あえて選択肢を減らす」
という発想を持ってみてください。

 

たとえば、

・今ある候補を3つに絞ってみる
・優先順位を書き出してみる
・「やらないことリスト」をつくって手放す

 

減らすことは、
決して「諦め」ではありません。

それはむしろ、
「自分が大事にしたいものを明確にする」
という前向きな行動です。

Step2:「選ばなかったもの」を振り返らない

もうひとつ大切なのが、
「選んだあとの心の持ち方」です。

人はつい、
「あっちを選んでいたら、
もっと良かったんじゃないか」
と、選ばなかった方に意識が向いてしまいがちです。

でも、
選ばなかった選択肢には
“得られなかった未来”しかありません。

それよりも、
自分が選んだ「今」を充実させることに意識を向けた方が、
気持ちは穏やかになっていきます。

 

選択はゴールではなく、
スタートです。

選んだその後の行動や気持ちの持ち方で、
人生はいくらでも変わっていきます。

選択肢を減らすのは、“自分を縛る”ことじゃない

「せっかく自由なのに、
絞っちゃうなんてもったいない」

そう感じる方もいるかもしれません。

でも私は、
こう思っています。

減らすことは縛ることではなくて、

「自分を守り、整え、
大事にするための“優しさ”」
なんです。

 

仕事、副業、SNS、習い事、人間関係ーー

全部を全力でやろうとすればするほど、
自分が疲れてしまう。

だからこそ、
“今の自分”にとって必要なことだけを残す。

そうすることで、
やっと見えてくるものがあります。

 

「選べない自分はダメだ」
「ちゃんと決めなきゃいけないのに……」

そんなふうに、
自分を責めてしまうこともあるかもしれません。

でも、
それはあなたが真剣に生きている証拠です。

 

もし今、
迷いの中にいるなら。

そして、
選択肢が多すぎると感じるようであれば、
まずは「減らせそうな選択肢はないかな」
と、そっと見渡してみてください。

そして、
先ほどお伝えしたステップについて、
できるところから取り組んでみてもらえたら嬉しいです。

 

すべてを選ばなくても、
大丈夫。

“あなたが今、大事にしたいこと”
を見つけられたなら、

それがきっと、
あなた自身を導いてくれるはずです。

 

「でも、“今大事にしたいこと”が
分からないから悩んでいるんだよ」

そんなふうに感じた方も、
いらっしゃるかもしれません。

 

そんなときは、
カウンセリングという方法もあります。

カウンセリングでは、
あなたの内側に眠っている
「これを大事にしたい」という想いに気づき、

その想いをもとに、
あなた自身が
“自分の選択”を取り戻していくーー

そんなプロセスを、
いっしょに歩ませていただきます。

“あなたが今、大事にしたいこと”。
それを一人で探すのがむずかしいときは、
どうか安心して、頼ってみてくださいね。

 

 

 

あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。

 

心理カウンセラー
矢菅まゆ