働き方・生き方に迷ったとき

会社のセキュリティカードをなくしかけて気づいた、心が求めていた自由

こんにちは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。

 

人は、
日々の仕事や日常の中で
「なんか違うな」と感じながらも、
そのまま続けてしまうことがあります。

けれど、
その小さな違和感は
後から振り返ると大切なサインだった――
そんなこともあるのです。

私にもそんな経験がありました。

それが、
セキュリティカードをなくしかけた日のことでした。

セキュリティカード紛失事件

前職で会社員をしていた頃の、
ある日のこと。

オフィスの入退室には
セキュリティカードが必要で、
それを名札と一緒に
首から下げるのが社内ルールでした。

でも私は、
あの重たさが本当に苦手でした。

プライベートでも
ネックレスすらほとんど付けないタイプで、
自分の結婚式の日でさえ、
首もとには何も付けなかったくらい。

そんな私にとって、
「会社のルールだから」と
重いカードをぶら下げて過ごすのは、
地味に強いストレスだったのです。

 

ある日、
コーヒーを買いに外に出て、
オフィスに戻って
しばらくしてから気づきました。

――セキュリティカードがない。

慌ててバッグの中を探しても、
ジャケットやズボンのポケットに
何度も手を入れてみても、
デスクの周りを見ても見つからない。

総務に報告すると、
「警察に紛失届を出してください」
と言われ、
半泣きで交番に向かいました。

 

その日の夜は諦めて帰宅した後、
遅くまで残っていた同僚から、
私のセキュリティカードが
見つかったと連絡が入りました。

社内の窓際、
出窓のようになっている部分に
私のカードがあったそうです。

どうやら私が
コーヒーを持って戻ったときに、
無意識のうちにそこへ
置きっぱなしにしてしまっていたようでした。

 

ホッと胸をなでおろした反面、
心の奥で妙な感覚が残りました。

「なんで、
セキュリティカードを失くしたんだろう。」

「首にものをぶら下げるのが苦手とはいえ、
なぜあんなにも“ぶら下げたくない”と
思っていたんだろう。」と。

あの頃の私は、自由になりたかった

思えばその頃、
私はもう心のどこかで
「自由になりたい」と感じていました。

当時はまだ明確に
「辞めたい」と
思っていたわけではありません。

けれど、
こんなもの(セキュリティカード)を
首から下げて、

「会社の一員」でいなければならない自分に、
うっすらと違和感を抱いていたのです。

 

きゅうくつなパンプスを
履いていたくなかった。

晴れた日には外に出て、
太陽の光を浴びたかった。

ブラインドの下りた窓から
漏れる光を探すのではなく、
その光の中に、
自分が立っていたかった。

 

今振り返ると、
あの“紛失事件”は、
私の心の中にあった

「こんなものに縛られるなんてもう無理」
「ここから出てたい」

という本音が、
言葉ではなく“行動”という形で
表れたのだと思います。

自分の心に素直であるという「自由」

あの日の私は、
「自由になりたい」
という気持ちを
うまく言葉にできませんでした。

けれど、今は思います。

私が欲しかったものは、
誰にも縛られない自由だけでなく、
自分の心に素直でいられる自由だったのだと。

いまの私は、
あのときの私が望んでいたように、
自分で選び、自分で決め、
自分で責任を取る日々を生きています。

首から重たいカードを下げなくても、
パンプスを履かなくても、
自分の力で誰かの役に
立つことができる。

それは当時夢見た
「自由」のかたちでもあります。

違和感が教えてくれること

あの日の出来事は、
単なるミスではなく、

私の心が
「もうこのままでは居続けられない」
と知らせてくれた
サインだったのだろうなと思います。

 

あなたの中にも、
「もう本当はこんなことに縛られたくない」
「もうこの形は自分には合わない」
そう感じる瞬間があるかもしれません。

それはきっと、
次のステージへ進むためのサインです。

そのサインをどう扱うかで、
未来は変わっていきます。

 

私はカウンセリングを通して、
こうした自分の
「本心」に少しずつ気づいていきました。

セキュリティカードを失くしかけたとき、
実はもう心の中で
“自由になりたい”と思っていたこと。

それを言葉にできたのは、
カウンセリングの中で
心を整理できたからです。

 

もちろん、必ずしも私のように
会社を辞めることが
正しいというわけではありません。

一人ひとり皆ちがった
「こうしたい」という思いがあるのです。

今のあなたは「こうしたい」が
まだ言葉になっていないかもしれません。

けれども、
大丈夫。

ぜひカウンセリングの中で
一緒に言葉にしていけたら嬉しいです。

 

 

あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。

 

心理カウンセラー
矢菅まゆ