こんにちは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。
「今回の上司も新人リーダーか……」
私が前職で働いていた頃、
そんなふうに内心不満を
抱えていた時期がありました。
今日はそのときの経験をもとに、
職場環境への不満との
向き合い方について書いてみます。
新人リーダーばかりの職場で起きていた問題とは
前職での最後の2年ほど、
私は新人リーダーのチームに配属され続けていました。
もちろん、
新人リーダー本人には
何も非はありません。
私自身も、
新人リーダーを経験したことがあるからこそ、
その大変さは理解しているつもりでした。
それでも、
新人リーダーの部下として動くたびに
心の中でモヤモヤが募っていったのです。
当時、
私の上司にあたる人は、
たいてい次のような方々でした。
・別部署から異動してきたばかりで、
この部署の業務がまだ分かっていない人
・メンバーとしての仕事はできても、
リーダーを任されるのは初めての人
・「異動+初めてのリーダー」
というダブルで初めての人
こうしたリーダーの下につくのは、
正直やりにくさがありました。
私は新人リーダーの教育係を
任されていたわけではないので、
自分の業務は大きく変わりませんでした。
ただ、
リーダーが変わるたびにチーム体制も変わり、
3〜9か月おきに上司がコロコロ変わって
落ち着かない状況が続いていたのです。
「私は業務の経験があり手間がからないから、
毎回新人リーダーの下に配置されるんだ。」
そう思うようになり、
不満は強まるばかりでした。
「勝手に自走して、
成果は自分で出しておいてね。
あとはよろしく。」
会社からそんなふうに扱われているような
気がしてならなかったのです。
なぜ私ばかり新人リーダーの下につくのか──不満の正体
しかし、
ある日ふと気づいたのです。
「新人リーダーの下で
働くことが続いているのは、
私が特別だからではない。
単に、
他に任せられる人がいないからだ。」
その瞬間、
胸の奥で何かがストンと落ちました。
これまで
「私を評価して任せてくれている」
と思っていたけれど、
実際はただの“穴埋め要員”に
過ぎなかったのかもしれない。
振り返れば、
この会社は1〜3年程経験を積んだら、
他の会社に転職する人が相次ぐ環境でした。
その結果──
・リーダー候補層もリーダー層も、
退職でスカスカ
・管理職クラスも一部が抜け、
全体を見ることで手一杯
・残っているのは入社したての新人と、
新人に毛が生えた程度のメンバーばかり
そんな状況だったのです。
つまり私は数少ない
“そこそこ経験のある中堅”というだけで、
消去法的に新人リーダーのチームに
配置されていただけだったのです。
それに気づいた瞬間、
「私が便利に使われている」
と感じていたモヤモヤの正体が、
ようやく見えた気がしました。
評価や信頼がどうこうという話ではなく、
ただ、
“人がいない”という問題だったのです。
人が育たない会社だと気づいた日
この事実に気付いた瞬間、
私は自分自身と会社に対して幻滅しました。
1〜3年で退職する人が多いことは
ずっと分かっていた。
それなのに、
なぜ自分が特別だと勘違いをしていたのか。
もしかしたら、
そう思うことで、
自分を保とうとしていたのかもしれません。
現実を見ずに、
不満でいっぱいになっていた自分が
恥ずかしくなりました。
実際のところ、
当時の職場には
「人が育つ前に抜けてしまう」
という慢性的な課題がありました。
私が入社した頃と比べると、
リーダー教育の仕組みや、
誰かが休んだ時のカバー体制など
少しずつ整ってきてはいました。
けれど、
まだまだそれらは発展途上の段階。
リーダークラスになる前に辞める人も多く、
新人が入ってくるスピードに、
育成が追いついていませんでした。
そして当然、
「新人リーダーが新人を見る」
のは負担が大きい。
可能なら避けたい、
という状況もありました。
その結果、
一定の経験があり、
“任せても大きく問題にならない”
と見なされていた私が、
新人リーダーの下につく形が
自然と増えていったのです。
つまりこれは、
私への評価や能力の問題ではなく、
環境そのものの、
構造上の限界でした。
それに気づいたときには、
「やっぱりこの会社には、
もう長くはいられない」
という現実を、
静かに受け止めるしかありませんでした。
職場での不満を抱えているあなたへ
職場で感じる不満の裏には、
時に“構造上の限界”が潜んでいます。
私自身、
このことに気づいてから
退職するまでには、
少し時間がかかりました。
けれど、
最終的に退職を選んで環境を変えたことで、
大きく前に進むことができました。
もし今あなたが
「なんで私ばかり……」
と感じているなら。
その背景には、
あなた一人の努力ではどうにもならない、
構造上の限界があるかもしれません。
その不満を少しでも解消したいと感じるなら、
・構造そのものを自分で変えるか
・構造上の限界から自分が離れるか
どちらかを選ぶことを
検討してみてもいいかもしれません。
そして現実的には、
構造を変えるのは一人の力では
難しいことも多いでしょう。
だからこそ、
環境を変える選択をしてもいいのです。
それは決して逃げではなく、
前に進むための、
大切な一歩になります。
一人で抱え込んでいると、
“自分のせいだ”と思い込んでしまったり、
視界が狭くなってしまうこともあります。
そんなときは、
誰かと一緒に整理してみることが
助けになります。
私が提供しているカウンセリングも、
そうした整理のための場としても
活用していただけたら嬉しいです。
あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。
心理カウンセラー
矢菅まゆ
