こんにちは!
心理カウンセラーの矢菅まゆです。
「稼いでいない自分には価値がない」
そんなふうに、
自分の存在価値を
「稼いでいるかどうか」
で測ってしまうことはありませんか?
今日は「稼いでいない自分には価値がない」
と思ってしまう心理について、
私の実体験も交えながらお話ができればと思います。

「稼いでいない自分には価値がない」
私が最初にこの思いを強く感じたのは、
会社を辞めてからでした。
自営業の準備を始めたものの、
まだ実際に収入はない時期。
何をするにも、
どこか後ろめたさがつきまとっていたんです。
「人の役に立てていないな……」
「夫の稼ぎと自分の貯金を、
ただ消費しているだけじゃないか……」
周囲からは
「自営業に挑戦するなんてすごいね!」
と言われることもありました。
でも私は、
こう思ってしまっていました。
「今の私は、
見た目だけなら
“専業主婦が趣味でブログを始めてみた”
ようにも見えるかもしれないな…」
※もちろん、
専業主婦という生き方や、
趣味でブログを書くことを否定するつもりはまったくありません。
ただ当時の私は、
「自分は“何者か”になっていない」
「成果を出していない」ことに、
大きな引け目を感じていたのです。
こうした感覚は、
なにも独立直後に限った話ではありません。
たとえば、
・仕事を一時的にお休みしている期間(休職・療養中など)
・出産や育児で働き方を変えたとき
・パートナーの転勤に伴ってキャリアが途切れたとき
こうした“人生の節目”にも、
同じような気持ちになる人は少なくありません。
「私は今なにもしていない」
「生産性がない自分には、
存在する意味がないんじゃないか」
このような思い込みを抱えたままだと、
人生の大切な節目の時期を、
自分を責める気持ちにとらわれたまま、
過ごしてしまうことになりかねません。
「労働=価値」という思い込みと“無価値感”の正体
あのとき私が苦しかったのは、
「稼いでいない自分には価値がない」
と強く思い込んでいたから。
もっと言えば、
こう考えていました。
「今すぐ、
目に見える成果を出せていない私はダメなんじゃないか」
こう思ってしまう背景には、
「無価値感」
という心のクセが関わっていると、
今では思います。
無価値感とは、
【こんな私は価値がない】
と感じる感情のことです。
この感情が根底にあると、
「自分は頑張って、
誰かの役に立たなければいけない」
「常に成果を出し続けなければ
自分を認められない」
と、知らず知らずのうちに自分を追い詰めてしまいます。
私の場合、
「稼いでいない自分には価値がない」
と思い込んで自分の価値は低いと感じるから、
「労働」をすることによって
「価値がない自分」を埋めようとしていました。
ただ私は以前、
人に評価されたいと必死になり、
ハードワークに走って、
最後は燃え尽きてしまいました。
(燃え尽きたときのエピソードはこちら)
そのため今はもう、
無理な働き方はしないと決めています。
でもその代わり、
自分の価値のなさを
「ハードワークで埋める」
という手段もとれません。
だからこそ──
“稼いでいない今の私”と、
まっすぐ向き合わなければならなかったのです。
“生きているだけで価値がある”
そんなとき、
ふと考えたことがあります。
「ほかの生き物って、
“稼いでない”けど、
意味のない存在なんだろうか?」
たとえば春に咲く花。
道端を歩く虫たち。
水の中をただ漂うミジンコ。
彼らは
「何かの役に立つ」ことなんて意識せず、
ただその命を生きている。
私たち人間は、
他の人と関わりながら
「社会」の中で生きています。
だからこそ、
「お金」や「労働」といった
社会的な仕組みによって、
自分の価値を測ろうとしてしまうのかもしれません。
そもそも、
私たち人間には
「誰かとつながりたい」
「社会に受け入れられたい」
という欲求があります。
心理学ではこれを
「社会的欲求」と呼んだりもするのですが、
だからこそ
「ちゃんと役に立たなきゃ」
と思ってしまうのも、
ある意味自然なことなのかもしれません。
それが“労働=価値”という
思い込みにつながることもあるんですよね。
でも、
本来、
命はそれだけで尊いはずなんですよね。
自分の与えられた生を、
精一杯、
自分を目いっぱい愛して生きていく。
それができたら、
もうそれだけで、
素晴らしい、
何物にも代えられない人生なんだよな、と。
そう思えたら、
心がすっと楽になりました。
たとえ今、
・働いていない自分にモヤモヤしていたり
・お金を生み出せていない自分を責めていたり
・誰かの役に立てていない気がして焦っていたとしても──
そんなあなたにも、
ちゃんと価値があります。
人は、
何かの役に立っているときだけ
価値があるわけじゃない。
稼いでいるときだけ、
存在が許されるわけじゃない。
あなたが、
あなたとして生きていることそのものが、
大切でかけがえのないことなんです。
だからどうか、
“稼いでいない自分”を責めすぎずに、
“今ここにいる自分”を、
そっと抱きしめてあげてくださいね。
あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。
心理カウンセラー
矢菅まゆ