“ちゃんとしなきゃ”が止まらないとき

“ちゃんとしなきゃ”が止まらない──完璧じゃなくても大丈夫と思えるようになるまで

こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。

 

「ちゃんとしなきゃ」
「やるべきことが終わってない」

そんな思いに、
ふと押しつぶされそうになることってありませんか?

今夜は、
そんな“がんばりすぎてしまうあなた”へ向けてのメッセージです。

「ちゃんとしなきゃ」の正体

人に迷惑をかけたくない。

できるだけ、
まわりに心配や負担をかけずに、
ちゃんとしていたい。

だからこそ、
「自分がもっとがんばればなんとかなる」
と思って、
つい抱え込んでしまう。

頼ったり甘えたりするくらいなら、
自分で全部こなしたほうが早いし、
確実だ──

そう思っているうちに、
いつの間にか
「自分ひとりでやりくりすること」
が当たり前になっていた──

そんなことはありませんか?

 

しかも、
ギリギリでもこなせてしまう。

こなせてしまうからこそ、
そのがんばりに誰も気づかないまま、
自分さえも気づかないまま、
さらにがんばり続けてしまう。

「まだ大丈夫」
「これくらいで弱音を吐いちゃいけない」

そう思い込んで、
本当のしんどさに気づかないまま、
燃え尽きる直前まで走り続けてしまう。

その背景には、
「誰かの期待に応えることで
安心や信頼を得てきた経験」
があるのかもしれません。

ちゃんとしないと、価値がないと思っていた

私自身も、
かつてそうでした。

「まじめだね」
「しっかりしてるね」
そんな言葉をもらうことが増えるにつれて、

少なくとも“外では”
真面目な自分でいなければ……と、
いつしか気を張るようになっていった。

ほんの小さな抜けや失敗にも、
自分で自分を責めすぎてしまっていました。

 

また、
「他の人には“それで十分だよ”」
と自然に言えるのに、

なぜか自分にはそれを許せない……
そんなことがよくありました。

たとえば、
誰かがミスしても
「そんなこともあるよね」
と思えるのに、

自分が同じことをすると
「なんでこんなこともできないの?」
と責めてしまう。

自分にだけ高いハードルを課して、
“ちゃんと”できなかった自分を、
厳しくジャッジしてしまう。

そうして、
他の人には優しくできるのに、
自分にだけはいつも厳しい目を向けてしまう。

気づけば私は、
そんな状態に陥っていました。

 

リーダー職になってからは、
嬉しさや充実感もあった一方で、

「メンバーの見本としてちゃんとしなきゃ」
「せめて他のリーダーと同じくらいにはできるように」

と無意識に背伸びもしていました。

 

でも今思えば、
その努力の多くは、
“他者からの評価”を軸にしたもの
だったのかもしれません。

“ちゃんとしていなくても大丈夫だった”と気づくまで

「ちゃんとしなきゃ」
そう思いながら、
がむしゃらにがんばり続けていたあの頃。

表向きは何とかやれているように見えても、
私の心と体は、
確実にすり減っていっていました。

 

がんばりたい気持ちはある。

でも、
もう会社の皆と同じようにはがんばれない──。

そんな実感が日に日に強くなっていって。

あるとき私は、
自分から当時の上司に伝えました。

「産業医面談を受けさせてください」と。

 

正直すごく勇気が要りました。

「どう思われるだろう」
「ついにメンタルをやられたか、
って思われるのかな」

そんな不安や葛藤で、
頭の中はいっぱいでした。

 

けれど、
思い切って伝えてみたら、
想像していたような否定や拒否は返ってこなくて。

むしろすぐに面談を調整してくれたり、
仕事のペース配分について考えてくれたり。

私の“限界のサイン”を、
ちゃんと受け止めてもらえた。

そのとき、
心の奥でホッとした自分がいたのを覚えています。

 

その頃から少しずつ、
私の中でこんな感覚が生まれてきたんです。

「ちゃんとしていなくても、
人として否定されることはないんだな」って。

少しずつ、
“ちゃんとしていない自分”にも優しくしてあげよう、
そんなふうに思えるようになっていきました。

ちゃんとしていなくても、大丈夫だった

“ちゃんとしていない自分”
を認められるようになるまで、
正直時間はかかりました。

少しずつ、
肩の力を抜く選択を重ねながら、
「それでも大丈夫だった」
経験を積み重ねてきたように思います。

今では、

「今日は体調がよくないな」
「気力が落ちてしまっているな」

と感じたら、
無理せずにペースを落とし、
完璧じゃなくても“今の自分なりのベスト”を大切にしています。

 

かつての私に言葉をかけられるなら、
こう伝えたいです。

「そんなに必死にならなくても、
大丈夫だったよ」

 

そして今、
“ちゃんとしなきゃ”と自分を律しているあなたへ。

その気持ちは、
本当に健気で、
誰かを大切に思っているからこそ生まれたもの。

でも、
がんばるあまりに、
あなた自身が苦しくなってしまっているとしたら──

ほんの少しだけでも立ち止まって、
あなた自身を大切にしてあげてほしいのです。

 

「ちゃんとしなくても、
人としての価値はなくならない」

その感覚を、
少しずつ取り戻していくことができたら、
きっとあなたの毎日は、
もう少しやわらかくなっていくはずです。

 

そしてもし、

「分かってるけど、
ゆるめ方が分からない」

「頭では理解してるのに、
気持ちがついてこない」

そんなときは、
どうか一人で抱えこまないでください。

あなたのその想いを、
ぜひ一緒に整理できたら嬉しいです。

いつでもお話を聞かせてくださいね。

 

 

あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。

 

心理カウンセラー
矢菅まゆ