こんにちは!
心理カウンセラーの矢菅まゆです。
仕事で頑張ることが当たり前になっていて、
疲れたと思っても「まだいける」
と自分を奮い立たせていませんか?
私もかつては、
「他人の期待に応えたい」
という思いから、
自分を追い込みながら働いていました。
今振り返ると、
「他人の期待に応えなければ」
という気持ちが強すぎて、
知らず知らずのうちに
「過剰適応」を起こしていたのだと思います。
今回は、
「過剰適応」をキーワードにお話をしていきたいと思います。

なぜ私たちは過剰適応してしまうのか?
皆さんは「過剰適応」という言葉は聞いたことはありますか?
過剰適応とは、周りの環境に配慮し、他者に調和することを重視しすぎて常に気を張っている状態で、精神的にとても消耗しやすいのです。
端的にいえば、「自らのニーズよりも、他者のニーズを満たすことを重視しすぎて疲弊していること」です。心療内科医が教える本当の休み方
(鈴木裕介 著)より引用
一見すると
「頼れる人」「良い人」に見えるけれど、
その実、
心の中では無理を重ねてしまっている。
それが、
過剰適応の状態です。
「過剰適応」と聞くと少し堅く感じるかもしれませんが、
実は多くの人が気づかないうちにこの状態に陥っています。
かつての私自身もそうでした。
たとえば、
前職でリーダー職になり新人を任せていただいた時、
「会社が私に期待して任せてくれている!
その期待に応えなきゃ!」
という気持ちでいっぱいになり、
他人の期待を満たすことに必死になっていました。
ではなぜ、
私たちはここまで無理をしてまで
「他人の期待に応えよう」としてしまうのか。
その理由は
「迷惑をかけたくない」
「期待を裏切りたくない」
という思いがとても強いから。
頼まれごとを断ることに強い罪悪感を覚えたり、
弱音を吐くことが甘えのように感じてしまったり──。
また、
小さな頃から知らず知らずのうちに、
「自分の気持ち」より「誰かの期待」
を優先することが当たり前になっていた。
そういった方はとても多いです。
親や先生など、
自分を評価する立場の人たちの顔色をうかがいながら、
「期待に応えよう」と頑張り続けたり、
「いい子でなければ愛されない」と感じたり。
そうした背景があると、
大人になってもその傾向が強く出やすくなります。
たとえば職場で、
上司から「大丈夫?」と聞かれても
「大丈夫です」と笑ってしまう。
遅くまで残業してまで期待に応えようとする。
一時的には
「責任感のある人」と評価されるかもしれません。
でもその裏では、
心も身体もじわじわと疲れがたまっていきます。
さらに
「誰かに認められたい」
「必要とされたい」
という承認欲求も、
過剰適応を強めてしまう要因のひとつです。
私たちは社会の中で、
他者と関わり合って生きているから、
「誰かに認められたい」
「必要とされたい」
と思う気持ちはとても自然なもの。
けれど、
周囲の期待に応えようと
自分の限界を越えてまで頑張ることをずっと続けていると、
心の病につながってしまうこともあるのです。
だからこそ、
まずは
「自分は、
他人の期待に応えようとしすぎていないか?」
と立ち止まってみること。
そして少しずつ
「自分の感情」や「本音」に
耳を傾けてみることが大切です。
あなたの気持ちは、
ちゃんと大切にしていいんです。
休めない状態に気づくこと
過剰適応の状態にあると、
「本当は休みたい」と思っていても、
なかなかそれを実行に移せません。
それは単に忙しいからではなく、
「休むことを自分に許せない」
気持ちがあるからです。
たとえばこんなふうに思っていませんか?
「自分が抜けたら迷惑をかけてしまう」
「ちゃんとやらなきゃ信頼を失ってしまう」
「働いていない自分には価値がない」
こうした思いが、
休みを「取ってはいけないもの」
のように感じさせてしまうのです。
かつての私もそうでした。
「休みたい」と思っているのに、
それを自分に許すことができませんでした。
家に帰っても仕事のことが気になって、
休みの日もつい会社の連絡をチェックしてしまう。
「まだ頑張らなきゃ」
と自分を追い立てていたのです。
けれど、
そんな日々を続けるうちに、
夜なかなか寝れなくなったり、
通勤中の電車から見える景色が灰色に見えたり……。
少しずつ、
心と身体をじわじわと消耗させていきました。
そしてある日ふと「もう無理だ」という感覚が訪れました。
そのとき、
やっと気づいたんです。
「私は、
ちゃんと休めていなかったんだ」と。
「休んでもいい」
と自分に言ってあげることこそ、
実はとても勇気のいること。
ずっと走り続けてきた人ほど、
がんばり続ける流れを手放すことに、
強い不安や恐れを感じるものです。
けれど、
頑張り続けることのしんどさと、
頑張り続ける流れを手放すことの不安や恐れを、
自分で認められたとき。
心はようやく「休んでもいい」と
感じられるようになっていきます。
安心感は、つながりの中で育つもの
ただ、
過剰適応に気づいたからといって、
すぐに全てを手放せるわけではありません。
なぜなら、
これまでのあなたは
「他者のニーズに応えること」で
安心や信頼を得てきたから。
だからこそ、
本当の意味で心から休むためには
「すべてに応えられなくても、
自分はここにいていい」
と感じられるような、
“他者とのあたたかいつながり”
の中で生まれる安心感が、
とても大切なのだと思います。
鈴木裕介さんの著書
『心療内科医が教える本当の休み方』にも、
こんな言葉があります。
「私たちの身体は、動物として神経レベルでも他者との良好なつながりを欲しており、それらを得られているときに安全・安心を感じ、穏やかで快く健康的な状態でいられるのです。」
心療内科医が教える本当の休み方
(鈴木裕介 著)より引用
一人でがんばって耐えるのではなく、
誰かと良好なつながりをもつことが、
私たちに“安心して休んでいい”と教えてくれる。
そんな視点を持てると、
休むことが少しずつ怖くなくなっていきます。
ひとりで抱え込まず、
つながりの中で休むこと。
それは弱さではなく、
生きる力です。
そしてもし、
「こういったこと、
自分の身近な人には話しづらい……」
「ちゃんと自分の気持ちを整理したい」
そう感じたときには、
カウンセリングという選択肢も思い出してみてください。
私は、
安心してあなたがお話しできるよう、
最大限心を配ることをお約束いたします。
あなたが安心して、
心から休める時間がもてますように。
あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。
心理カウンセラー
矢菅まゆ