“ちゃんとしなきゃ”が止まらないとき

あとちょっとなのに気が抜ける──そんな自分を、笑って許せた日

こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。

 

あと少しで休み。

もしくは、
あと少しで退職。

「もうちょっと頑張れば終わる」──
そのタイミングで、
なぜか気が抜けてしまうこと、
ありませんか?

私は、あります。

思いっきり(笑)。

今日は、
そんな「あと少し」で気が抜けたときの話を、
2つほど。

お茶でも飲みながら、
気楽に読んでもらえたらうれしいです。

休み3日前の大寝坊事件

あれは、
前職と交渉して念願の
「1か月休み」をもらって、
休みに入る直前のこと。

あと3日出社すれば、
夢のような休みが待っていました。

 

──なのに。

目が覚めたとき、
外がやけに明るい。

まさかと思って時計を見ると、
すでに始業時間を過ぎていました。

 

「え、うそでしょ……?」

「なんで今日!? あと3日だったのに!」

 

布団の中で叫びました。

私は元々、
すぐにパッと起きられるほうではありません。

けれど社会人になって以来、
このレベルの大寝坊なんて
一度もしたことがなかったのに。

 

会社に電話をかける手が震え、
指が思うように動きません。

怒られる覚悟を決めて出社しましたが、
マネージャーから返ってきたのは、
予想外にやさしい声。

「社会人になって初めてだよね?
気を付けてください~。」

……やさしすぎて、
逆に刺さる。

 

自分でも分かっていました。

きっと、
気が抜けていたんです。

休み目前で、
体のほうが先に
「もう頑張らなくていいよ」
と言っていたのかもしれません。

退職届、訂正印まみれ事件

そしてもうひとつの“気が抜けた事件”は、
退職間際のこと。

人事の方から渡された退職届の原本。

勢いでそのまま書き始めてしまい、
書く前にコピーをとるのを忘れていました。

──が、ここで凡ミスを連発。

日付を間違えるわ、
字を誤るわで、
訂正印があっちにもこっちにも、
そっちにも。

もう一枚もらおうかと思ったけれど、
「すみません、もう一枚ください」
も言いづらくて、
結局そのまま提出。

“訂正印だらけの退職届”という、
この会社で勤めた6年間の集大成が出来上がりました。

お客様に出す書類ではないけれど、
辞める人の気の抜け方があまりに現れていて、
自分でも笑ってしまいました。

 

退職届って、
もしかするとその人らしさが
出る書類なのかもしれません。

私の場合は、
“抜け感”でした(笑)。

……いや、
抜けすぎてたかもしれません。

人は安心したとき、はじめて力を抜ける

休み前の寝坊も、
退職届の訂正印まみれも、
どちらも「あと少し」を
頑張っていたときの出来事でした。

それまで頑張って、
気を張って、
ちゃんとやってきたからこそ──

どこかで糸がぷつんと切れる
瞬間があるのかもしれません。

 

人は本来、
「緊張」と「ゆるむ時間」を
くり返しながらバランスを取って生きています。

でも、
ずっと頑張り続けていると、
“ゆるむタイミング”を
後回しにしてしまうことがあります。

だからこそ、
身体のほうが先にブレーキをかけてくる。

特に、あの休み前の大寝坊は、
これまでゆるむタイミングを
後回しにしてきたツケが、
少しだけ早めにやってきたのかもしれません。

 

また、人は、
「もう大丈夫」と安心を感じたときに、
はじめて力を抜くことができます。

たとえばサバンナのように、
いつ襲われるか分からない環境にいる限り、
けっして気を抜くことはできませんよね。

だから、
気が抜けるというのは──
「もう安全だ」
「ここで一区切りついた」と
自分のなかで
感じ取れている証拠でもあります。

そう思うと、
あの2つのミスも、
ただの失敗じゃなくて
“安心したサイン”だったのかも、
と思います。

大寝坊しても、
退職届を書き損じても。

それでも、
休みはいただけたし、
退職もできた。

だから、
まあいいか。

 

そんなふうに
「抜けてる自分」を笑えるようになると、
日々を生きるのがちょっと楽になります。

少し失敗したとしても、
積み重ねてきた時間は消えません。

 

完璧じゃなくてもいい。

あと少しで終わるというその瞬間こそ、
少し抜けた自分を、
笑って許してあげたいですね。

 

 

あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。

 

心理カウンセラー
矢菅まゆ