こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。

 

先日、

ある人からの言葉をきっかけに、
私自身の過去を振り返る機会がありました。

そのとき、
私は前職でのある出来事を思い出しました。

当時は、
その場で一区切りついたと
思っていたことでしたが、

「今だからこそ、
意味を持ってつながった」
そんな感覚に近い出来事です。

今日は、
あのときは見えていなかったものについて、
少し振り返ってみたいと思います。

上司の一言で、自分を否定されたように感じた日のこと

前職で、当時の上司に
社内の業務改善の提案書を
提出したときのことでした。

上司から
こんな言葉を向けられたのです。

 

「あなたのメンバー(部下)の
業務改善の提案は良いのに、
それに比べて、あなたのは……」

 

そのメンバーが優秀で、
その提案書が素晴らしいことは、
私自身が一番よく分かっていました。

だってその提案書は、
私の上司に出す前に、
すでに私が目を通しているから。

そのメンバーは日頃から
「もっとこうしたら業務が楽になるのに」
と改善点をストックしている、
という話も聞いていたから。

だからこそ、
上司のその言葉を聞いた瞬間に湧いてきた
強い怒りとやるせなさに、
自分でも戸惑いました。

――あれが素晴らしいことくらい、

分かっている。

――それでも私は、
同じような良い改善点を見つけられない。

良い提案書を書こうとしても、
どうしても書けない。
書けないんだよ。

そんな思いが、
頭の中で何度も繰り返されていました。

 

今振り返ると、
あのとき私は、
ただ落ち込んでいたのではなく、

「改善点を見つけられない自分はダメだ」
という基準だけで、
必死に自分を測っていたのだと思います。

上司の言葉が、気づけば
「改善点を見つけられない私はダメ」
という声に変わって、
自分の中に響いていました。

だから比較されたとき、
それができない自分そのものを
否定されたように感じてしまったのです。

当時の私は、
それが「思い込み」だとは
思っていませんでした。

「もう大丈夫」と思っていたけれど、実は残っていた違和感

「あなたのメンバー(部下)の
業務改善の提案は良いのに、
それに比べて、あなたのは……」

その言葉が、
あまりに悔しくて。

私は結局、
会社のトイレで泣いてしまいました。

 

頭で整理しようとしても、
どうしても一人では受け止めきれず、
後日、別の先輩に
この出来事を相談することにしました。

以前、私の上司だった人です。

その人は、
こんなふうに言ってくれました。

「○○さん(メンバー)の提案が
素晴らしかったのかもしれないけど、
今の上司は、それと矢菅さんの提案を
比べる必要はなかったんじゃないかな」

「矢菅さんは、○○さんとは
別の点を評価されて、
上司を任されているはずだよ」

「その一言で
ここまで心が乱れるのは、
普段からコミュニケーションが
うまくいっていなかった面も
あるんじゃないかな」

その話を聞いたとき、
私は「そうかもしれない」
と思いました。

実際、その場では、
少し気持ちが落ち着いたのも事実です。

一区切りついた出来事だと、
自分でも思っていました。

環境が変わっても、無意識の前提は残り続けていた

私はその後も、
前職で普通に働いていて、
強く引きずっている自覚はありませんでした。

一度は納得したつもりだったし、
もう終わった出来事だと思っていた。

けれど、数年後の今になって、
ようやく気づいたことがあります。

 

私はずっと、

「改善点を見つけられない自分はダメ」

という前提を、
手放したつもりで、
持ち続けていたということです。

環境や肩書きが変わっても、
人は案外、
以前の場所で身につけた前提を、
そのまま持ち続けてしまうものなのだと思います。

 

会社を辞めて、
個人で仕事をするようになってからも
その前提は、
私の中に残っていました。

無意識のうちに、
「改善できるかどうか」を
自分の価値の基準にしていたのです。

たとえば、
業務効率化や仕組化について発信している
女性YouTuberの動画を、
気づけば日常的に見るようになっていたこと。

表向きは「学び」「向上心」
のように見える。

けれど、今振り返るとそこには、

「私は改善点に気づく力が弱い」
「だから外から補い続けないといけない」

そんな前提に縛られた焦りや恐れが、
確かにありました。

 

ただ、それと同時に、
私はまったく何も考えずに
仕事をしていたわけでもありませんでした。

22時以降のPC作業をやめたり、
体調に合わせて仕事量を調整したり。

こうした選択は、
いわゆる「効率化のための改善」を
追い求めた結果というより、

自分が安心して働き続けるための、
精一杯の工夫だったのだと思います。

 

このように、
無意識に刷り込まれた前提は、
自分ひとりでは、
なかなか気づきにくいこともあります。

私自身、
自分ひとりでは数年間気がつかず、
先日、他の人との対話の中で
気づきのきっかけをもらいました。

もし今、
「何か引っかかっている気がする」
「でも、うまく言葉にできない」

そんな感覚を抱えているのなら、
誰かと話してみることで、
少しだけ視界が開けることもあるかもしれません。

 

 

あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。

 

心理カウンセラー
矢菅まゆ