働き方・生き方に迷ったとき

仕事の環境が変わった後に自分を責めてしまう理由と、心が楽になる視点

こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。

 

仕事の環境が変わったとき。

「思っていたより頑張れていない……」
そんなふうに、
自分を責めてしまったことはありませんか。

私自身、
前職を辞めて開業準備をしていたとき、
時間はあっても焦りばかりが出てきて、

「私の仕事の基準は低いのではないか」
と、ずいぶん長い間、
自分を責めてしまっていました。

振り返ってみると、その背景には
「居場所の安全」と「成果」が
強く結びついてしまう、
そんな心理が深く影響していました。

今日はその気づきとともに、
仕事の環境が変わったときに
自分を責めてしまう理由と、
心が楽になる視点をお届けしていきます。

仕事の環境が変わって「頑張れない自分」が気になった理由

まずは、
少しだけ私の話から。

 

会社を辞めると、
時間の使い方は全部自分次第になります。

けれど開業準備を始めた後の私は、
なぜか落ち着いていませんでした。

 

朝はわりとゆっくり起きるのに、
夜遅くまで働いているわけでもない。

昼間に“全集中で仕事!”という日ばかりでもない。

そんな自分に対して、
「やれることを全然やっていないのでは?」
と、心の中で自分に何度もダメ出しをしていました。

頭ではやる必要のあることは分かっているのに、
思ったとおりに動けない。

すると、
「今日もできなかった……」
という気持ちが積み重なり、
自分を責める理由ばかりが増えていく。

 

でもあるとき、
ふと気づいたのです。

これは私の性格の問題というよりも、
これまでいた環境の中で
自然と身についた反応だったのだと。

 

会社という場所では、
どうしても
スピードや成果を求められる場面が多いもの。

そしてそこでの感覚は、
環境を離れたあともすぐには
切り替えられなかったのです。

成果が出ないと不安になるのは「過去の経験」が影響していた

私が前職で働いていた頃、
“一年以内に成果を出せなければ異動、
もしくは役割が変わる”
そんな暗黙のルールのようなものがありました。

恥ずかしながら、
私はそのどちらも経験しています。

・入社11か月目、やっと成果が出はじめて
仕事が楽しくなってきた頃に異動。

・リーダーになって1年。
チームとしての成果が振るわず、
メンバーに戻る。

 

“成果が出なければ解雇”のような
極端なものではありませんでしたが、
1年で成果が出なければ、
実際に役割が変わる環境にいました。

そのため私は、
「成果が出せなかったら、自分の居場所が揺らぐ」
という感覚を、
当たり前のものとして抱えていました。

会社を辞めてからも、
その感覚が身体のどこかに
残っていたように思います。

そしてこれは、
私だけの話ではありません。

・異動や評価によって、
心が落ち着かない経験をした
・ずっと数字や目標に追われてきた

そんな方も、
きっといらっしゃるのではないでしょうか。

こうした
「自分の立ち位置が、
いつ変わるか分からない感覚」
を繰り返し味わうことで、
成果と自分の価値が結びつきやすくなるのです。

働き方が変わったあとに不安が出る理由とその背景

環境を変えたあとに、
なぜかソワソワしたり、
「もっとやらなきゃ」と力が入ってしまう。

実は、
これはとても自然な反応なのです。

 

脳は“変化”を警戒しやすい生き物なので、
良い変化であっても、

これまでと違う状況に置かれると、
「ここ、本当に安全?」
とチェックを始めます。

少しペースがゆっくりになっただけでも、
「怠けているのでは……?」
と不安になってしまうのも、
その表れのひとつです。

でもこれは、
性格の問題ではありません。

ただ、過去の環境の中で
心身を守るために身についた
“防衛のクセ”が働いているだけ。

そして、
この不安は退職に限った話ではなく、

・転職したばかり
・部署が変わった
・仕事内容が変わった
・働き方が変わった

といったタイミングでもよく顔を出します。

過去の環境で身に着けた防衛のクセが働いて、
不安な気持ちが出てくるのは
よくある心の反応なのです。

仕事の環境が変わって不安になったとき

では、評価のある世界で働いているとき、
私たちはどう自分を守っていけばいいのでしょうか。

ここでは、
私自身が少し楽になれた
2つの視点をお伝えしたいと思います。

① 仕事の評価は避けられないけれど、
自分そのものが評価されているわけではない

仕事では、他者からの評価や
成果が基準になることは多いです。

ただ、その評価はあくまで
「その仕事をするうえでの役割に対するフィードバック」。

あなたという人間そのものの価値を
測っているわけではありません。

ここがごちゃまぜになると、
どうしても自分を追い込みやすくなってしまいます。

 

② 不安の正体は「仕事での立ち位置がまだ定まっていないだけ」

環境が変わると、
すぐにはその仕事での立ち位置が
定まらないことはよくあります。

私の場合も、
「カウンセラーとしての立ち位置」が
全く固まっていない時期に、
その不安を“自分が怠けているせい”だと捉えて
必要以上に自分を責めていました。

でも本当は、
少しずつ仕事の立ち位置の
足場をつくっている途中
だった
のだと思います。

 

私自身、
今も不安になることはあります。

ですが、

「居場所の安全と成果が、強く結びついていたんだな」
「仕事の評価と私自身の評価は別物」
「仕事の立ち位置がまだ定まっていないだけなんだな」

と思うことで、
ずいぶんと気持ちが楽になりました。

 

今日は、
働く環境が変わって、
私と同じように悩んでいる
あなたに届けたいという想いで、
この文章を書いています。

環境が変わった後に生じる不安を
「自分がダメだという証拠」
にしなくて大丈夫。

私も、そう自分に語りかけながら
日々を過ごしていきたいと思っています。

 

 

あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。

 

心理カウンセラー
矢菅まゆ