働き方・生き方に迷ったとき

退職を言い出せなかった私が、ようやく伝えられた理由──葛藤と迷いの記録

こんばんは。
心理カウンセラーの矢菅まゆです。

 

前職では、
一度は退職を申し出たものの、
引き留めに応じて残る道を選びました。

それでも後日、
「今度こそ退職したい」という思いから、
再度退職の意思を伝え、
最終的に受け入れていただきました。

今回は、
その決断に至るまでの過程と、
揺れ動いた気持ちを記録として残しておこうと思います。

何度も決断の場面で揺れ動いている、
そんなあなたに届きますように。

退職を言い出せない日々

退職を決意したのは、
ちょうどボーナスの時期が近づいていたころ。

「ボーナスをもらってから辞めよう」

そう心に決めてから、
実際の支給日までは1か月ほどありました。

その間、
私は何もなかったかのように振る舞いながら
仕事をしていました。

やる気がないのに、
やる気があるふりをする日々。

そんなある日、
マネージャーにふいに声をかけられました。

「最近、眠れてる?
クマが濃くなったなあと思って。」

 

一瞬で、
心臓が跳ね上がりました。

「え、眠れていますよ。
私、もともとクマができやすいんです。」

とっさに出たのは、
明らかに苦しい言い訳でした。

実際のところ、
眠れていなかったわけではありません。

けれど、
退職を言い出せないストレスから、
連日悪夢を見る日が続いていました。

表情もきっと硬かったのだと思います。

全てを見抜かれている気がして、
全身がこわばりました。

しかも、
そのマネージャーは、
かつて私が退職を申し出たときに
引き留めてくれた方でした。

そのとき私は感情が抑えきれず、
その場で大泣きしてしまったことがあります。

「今回もまた同じようになってしまうのでは……」

そんな不安と、
ばれてしまったかもしれないという焦りで、
気が気ではありませんでした。

 

やる気のあるふりは限界。

なんなら、
メンタル不調も疑われているだろう。

もう言うしかない。

私は決意の強さを伝えるために、
わざわざ紙の「退職願」を用意して、
その日を迎えることにしました。

 

 

そして、ボーナス支給日前夜。

「明日が決戦の日。」

静かながらも、
内側には強い決意がありました。

一度は言い出せなかった退職の意思に、
もう一度向き合うプレッシャー。

晩ご飯の味も、
いつもより味気なく感じるほどの緊張。

それでも、
心の中で何度も繰り返していました。

「どんな反応をされても、
私は退職する」と。

 

0時を過ぎてネットバンキングを確認すると、
ちゃんとボーナスが振り込まれていました。

「よし。
今度こそ、伝えよう。」

もう揺らがない──過去の自分との決別

翌日。

上司に「お話ししたいことがあります」と伝え、
封筒に入れた「退職願」を差し出し、
退職の意思を伝えました。

そのとき、
上司の目がわずかに潤んで見えたのは、
私の気のせいだったかもしれません。

けれど、
胸の奥には申し訳なさが
じんわりと広がっていました。

それでも、
気持ちは不思議と落ち着いていたのです。

ありがたいことに、
上司は私の意思をしっかり受け止め、
応援までしてくださいました。

この場所での経験を、
次に進むための糧にしよう──
そう静かに心の中で決めていました。

 

その数日後。
かつて引き留めに応じてしまった
マネージャーとの面談。

これまでの経緯があったので、
正直、かなり身構えていました。

けれど、
今回私は泣きませんでした。

「もう、あのときとは違う」

そう実感できたからです。

私は、
その方から自立していました。

自分の足で、
一歩を踏み出す感覚が、
ちゃんとあったのです。

 

マネージャーからは、
またポジション異動の提案をいただきました。

けれど、
正直まったく魅力は感じられず。

かといって、
どう伝えればよいか分からず戸惑ってしまう。

結局、
即答は出来ませんでした。

「申し訳ないな」
「断ったら悪く思われるかもしれない」
そんな思いがよぎって言葉が詰まる自分に対して、
いらだちがこみ上げる。

この退職は、
誰のためでもなく、
自分の人生のための選択。

あらためて、
自分の気持ちを信じて進もうと決めたのです。

私の人生は私が決める

後日、
再びマネージャーに、
退職の意思をはっきり伝えました。

「もう、
この会社の文化の中では働けません」

そう言い切りました。

 

たとえ、
給料が倍になっても。

たとえ、
週1回だけのアルバイト勤務になっても。

それでも「無理です」とはっきり伝えました。

マネージャーは、
きちんと受け止めてくださいました。

かつて泣いてしまった相手に、
今度は自分の言葉で、
しっかり想いを伝えることができたーー。

それは私にとって、
大きなハードルをひとつ越えた瞬間でした。

 

もちろん、
罪悪感はありました。

転職直後、
何もできなかった私を支えてくれた方。

育てていただいた恩も、
今でも心から感謝しています。

 

でも、
気づいたのです。

「誰かの期待に応え続ける人生を、
ずっと続けなくてもいい」

その人は、
これから先ずっと関わり続けてくれるとは限りません。

けれど、
自分とは、
一生一緒に生きていきます。

だからこそ、
自分の気持ちに正直に。

自分の人生を、
自分で選ぶことが大切なのだと思いました。

 

ここまで読んでくださったあなたへ。

「よく頑張ってるね」と、
自分自身に声をかけてあげてください。

なかなか決断ができない自分がいても、
大丈夫です。

何度迷ってもかまいません。

でも、
自分の気持ちは、
いつだって大切にしていいのです。

 

私も、
初めて退職を決意してから今に至るまで、
何度も迷い、
時間がかかりました。

だからこそ、
あなたも、
あなたのペースで大丈夫です。

その選択を、
私は心から応援しています。

 

もし今、
選択や決断に迷い揺れているなら──

良かったら、
そのお話を聞かせていただけたら嬉しいです。

 

 

あなたのこれからのキャリアを、
人生を、
心から応援しています。

 

心理カウンセラー
矢菅まゆ